研究概要:実世界の技能実践現場におけるインタラクション分析と知識獲得

キーワード:知識表現・体系化、オントロジー、マルチモーダル情報処理、インタラクション分析

本研究では、会議ファシリテーションや楽器演奏といった実世界の技能実践現場における判断支援を行うための人工知能適用技術を開発します。実世界活動で起こる事象のインタラクション分析やその知識獲得により、過去の知見を動的に活用するための知識処理システム構築を目指しています。具体的な活動のひとつとして、楽器演奏場面における指導知識のモデル化の試みに取り組んでいます。この研究では、クラシックギターの個人レッスンに焦点を当て、楽譜に書かれた内容や音声映像の記録を素材として活かし、指導者と学習者の発話に着目した分析を進めています。加えて、楽器演奏の指導現場で記録された発話や演奏状況を効果的に記述するための枠組みの構築や意味分析により、現場固有の特徴や傾向を明らかにすることで、知識のモデル化を実現します。これにより、指導者に判断材料となる知識の提供や、実践段階における検討品質を向上させ、レビュー時間を効率化し指導者と学習者の双方が本質的な課題議論を行う時間へと高度化することが期待できます。